【まめ知識】浴室サーモスタット混合栓の仕組み・構造を分かりやすく解説します。

よくお風呂で使われている、下図のような水栓を『サーモスタット混合栓』と言います。
『サーモスタット水栓』や『サーモ水栓』などと呼ばれる事もあります。
温度調整ハンドル(左)を目盛に合わせて、開閉ハンドル(右)を回せば、お好みの温度で水が使える便利な水栓です。

温度調整が出来る水栓で、画像のタイプは右側のハンドルでシャワーとカランの切り替えができます。

こんな感じ↓でハンドルでは無く、ボタンのタイプも有りますが「回す」か「押す」かの違いで、構造自体にそこまで大きな違いはありません。

別のタイプの外観を撮影した写真
ボタンで湯水の出し止めをするタイプもあります。

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目次

内部イメージについて

ここからは『TMG40C1RX/壁付サーモ13』という水栓を例に内部を見ていきます。
※年代によって少し部品の形が違うことがあるようなのでご参考まで。

分解図はこんな感じです↓

COM-ET HPより引用

ざっくり部品を割り当てるとこんな感じです↓
※とっても雑なイラストですみません…良い資料を入手出来たら更新します。

内部部品をイメージした画像
内部部品のイメージ図です。
水の流れ

①配管(逆止弁の所)から湯水が入る。
②『温度調整ユニット』で適温に混ぜ合わされる。
③ハンドルを回す(押す)と『開閉バルブ』が開きシャワーとカランに切り替えられて吐水される。

耐用年数(寿命)について

そもそも何年位が使用の目安か気になると思います。
業界的には…

  • 水栓本体…10年
  • 消耗部品…5年

と言われているようです。
…なんか「消耗部品5年」と言われると、ちょっと早い気もしますよね。
ですが、一応設計上の目安は、「中の部品をメンテナンスしながら10年位」と言う事になります。

現実は15年以上使えている方も居ます。
最近では水栓本体の価格もだいぶリーズナブルになって来た為、取替可能な水栓であれば10年経ったら気分一新で取替も良いと思います。

主要部品の役割と修理について

『逆止弁』(チャッキ弁)について

水栓の根元に付いてる部品で『チャッキ弁』と呼ばれる事もあります。
湯水の入り口の部分に付ける事で逆流を防ぎ、給湯器やポンプなどに悪影響を与えないように設置されています。
不具合が分かりづらく、最悪は給湯器などの設備機器へ悪影響を与える可能性が有る為、予防の意味で3~5年での早め交換を推奨されているようです。
これはほとんどの水栓メーカーさんが同じ案内をしている為、業界でのルール的な事になっているのかもしれません。
とは言っても車のように車検があるわけでもないので3~5年で交換って忘れちゃうし、なかなか面倒ですよね…。
実際マメに逆止弁交換されているお客様はあまり見た事が無いです。
メーカーさん的にはあまり良くないのかもしれないですが、別の不具合が起きた時に「ついでに交換」というのが多い印象です。

正常のイメージ

異常(逆流)のイメージ

逆止弁の不具合は直接的な症状が出ない為気付きづらいですが、異音として現れたりする事があるようです。

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修理…使用「10~15年」前後で、何かのついでに修理する事が多いです。
費用…業者さんに頼むと「10000~15000円」前後が多いです。
(あくまでも参考程度でご認識ください)

サーモ(温度調節)ユニット』について

向かって左側ハンドルの内部にあり、温度の調整をしています。
サーモユニットの中にバネのような部品が入っていて、温度によってバネが伸び縮みして湯水の取り込み量を調整し、適温を作ります。

<浴室用>オートストップ水栓(自閉式)メンテナンスマニュアルより引用

温度調整ユニットが悪くなると「お湯がぬるい」「お湯があつい」「温度が変わらない」などの不具合が起こります。

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修理…使用「10~15年」前後が多いです。
費用…業者さんに頼むと「15000~20000円」前後が多いです。
(あくまでも参考程度でご認識ください)

開閉バルブ』について

ハンドル式のタイプ

向かって右側ハンドルの内部にあり、水の出し止めをしています。
開閉バルブの中に、水の出口と、出口を開け閉めするシャッターのような部品が入っていて、ハンドルを回すとシャッターが動いて水を出し止めします。

構造はこんなイメージです↓

水の流れのイメージです↓

【参考】ハンドルの「カチッ」について

『止』の位置にした時に、下図のようにバルブ側の突起(金属ばね)が、ハンドル内部の溝(灰色の樹脂)にはまって「カチッ」とクリック感がするようになります。

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ハンドル式で「カチッ」とクリック感が無くなってきた時はハンドルとスペーサーの交換もおすすめです。

ボタン式のタイプ

押しボタンの内部にあり、ボタンを押すとバルブ内の弁が動いて水を出し止めします。
シャワーとカランそれぞれに入っています。

開閉バルブが悪くなると「水が出ない」「水が出っ放し」「水がポタポタ止まらない」などの不具合が起こります。

画像を載せている物は『THF12/開閉バルブ部』と言うもので、ごく最近の水栓でなければ大体これな気がします。
また機会があれば記事書きたいと思います。

修理…使用「8~15年」の間くらいが多いです。
費用…業者さんに頼むと「12000~17000円」の間くらいが多いです。
(ハンドル式・ボタン式共通。あくまでも参考程度でご認識ください)

まとめ・管理人の所感

いかかでしたでしょうか?
サーモスタット混合栓はすごく便利で長持ちしますし、修理も手軽なのですごく良い水栓だと思います。
部品の役割などが分かると、もしも不具合が起きた時などになんとなく心構えができて少しは安心かと思います。

以上、「浴室サーモスタット混合栓の仕組み・構造」でした。
少しでもご参考になると嬉しいです。

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