2000年頃以降に設置したタンク式トイレで『タンクの手洗いから水が出ない・トイレが流せない』という不具合が起きたら、
もしかしたらこの記事が役に立つかもしれません。
『TH405S/TS890A型用ダイヤフラム部』という部品で直します。
ここでは『SH91BA/防露式手洗付密結形ロータンク』というタンクを例に、その不具合を修理した時の詳細を見ていきたいと思います!
※当内容は不具合改善を約束するものではありませんので予めご了承願いますm(__)m
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どんなタンクが対象?
今回修理した『SH91BA』と同じ構造と確認できたのは下記品番のタンクです。
なので、下記品番のタンクであれば同様の修理になる可能性が高いです。
手洗い無し
SH30BA/SH30BAK/SH32BA/SH32BAK/SH350BA/SH350BAK/SH380BA/SH380BAK/SH670BA/SH670BAK/SH680BA/SH680BAK/SH80BA/SH80BAK/SH90BA/SH90BAK/SJ80BABF/SJ80BAKF
手洗い有り
SH31BA/SH31BAK/SH33BA/SH33BAK/SH351BA/SH351BAK/SH381BA/SH381BAK/SH671BA/SH671BAK/SH681BA/SH681BAK/SH81BA/SH81BAK/SH91BA/SH91BAK/SJ81BABF/SJ81BAKF
また、タンク内が下画像のような外観の場合は『SH91BA』と同じ構造の場合が多い為、
当記事と同様の修理になる可能性が高いです。
従来の風船のような浮玉ではなく、小さなお椀上の浮き球 で、浮き球の根元が分解できそうな外観をしています。




タンクの構造について
このタイプのタンクは何か難しい言葉でいうと『ダイヤフラム式』と言うみたいです。
ボールタップ(水の開閉バルブ)の中にその『ダイヤフラム』が入っており、水の出し止めをしています。
従来の『てこ式』(風船のような大きい浮玉のタイプ)と比べると水切れが良いです。
『ボールタップ』からタンク内に水が入り、満水になると止まる⇒『レバーハンドル』を上げると『排水弁』が引き上がり、タンクから便器に排水される。

今回の不具合について
「手洗い管から水が出ない」以外にも、こんな不具合としてご相談を頂きます。
- 手洗い管から全く水が出ない。
- タンクが流せない。
- タンクの中で『シュー』と音がする。
一見、「給水フィルターのごみ詰まり?」とも思える症状ですが、
このタイプのタンクは給水フィルターが大きいので、詰まりでここまでになってしまう事は少ないです。
部品を疑って掛かりましょう。
不具合の関連部品について
この症状は…『水が出ない』ですから、ボールタップが怪しい…
でもボールタップ丸ごとは高い…(9680円/税込)
そうです。お察しの通り…『ダイヤフラム』で直ります。
COM-ET HPより引用
●TH405S/TS890A型用ダイヤフラム部/¥790(税込¥869)
※価格は2021/05現在。
左レバーハンドルのタイプは『HH06090(旧品番:TH405-1N)/ダイヤフラム部』になるようです↓

作業について
いよいよ作業についてです。
ざっとした流れは、
タンクふた等の外装品を外す⇒ダイヤフラムまでの細かな部品を外す⇒ダイヤフラム交換⇒逆手順で戻す
といった流れになります。
細かく見ていきましょう。
作業前の注意
必ず元栓か止水栓で水を止めて下さい。
コンセントが有れば念の為に抜いてから作業する事をおすすめ致します。
作業時間
私が作業する時は10分前後が多いです。
有ると良い道具
汚れを拭いたり、こぼれた水を拭く為のタオルは用意した方が良いと思います。
それ以外は特に必要無いと思います。
作業手順
TOTOさんが公式で交換手順を公開してました。
リンク貼っておきますのでご参考下さい↓
①安全確認します。
元栓か止水栓で水を止めて、タンク内の水を抜きます。
(ウォシュレットなどのコンセントが有れば念の為にコンセントも抜きます)
水を止める理由
水を止めなくてはならない作業で、水を止めずに作業してしまい家中が水浸しになったお客様を何度か目にしています。
もう本当に目も当てられませんでした…水は必ず止めましょう。
器具の止水栓は極稀ですが折れたりする事が有るので、固くて回らない場合や、ぐらつきが激しい場合は無理をせず家の水道メーターで止めるのが良いと思います。
タンク内の水を抜く理由
慣れない作業だと外した部品をタンク内に落とす事が有ります。
拾えば良い話なのですが、拾おうとタンク内に手を入れて探ったりしていると、
何かの拍子に排水の弁が開いて落とした部品が便器の方へ流れて取り出せなくなってしまう事が有ります。(経験談)
私のようなドジっ子で無ければ良いのですが、タンクの水は抜いた方が安心だと思います。
②『タンク蓋』と『樹脂カバー』を外します。
- タンク蓋は置いてあるだけなので持ち上げて外します。
- 樹脂カバーもはまっているだけなので上に持ち上げて外します。

③『浮玉レバー』と『押さえナット』を外します。
- 浮玉レバーの根元をつまみ片側ずつ浮かせて外します。
- 本体の根元を掴み、押さえナットを反時計回りに回して外します。
(固い場合は根元をしっかりと押さえて力を掛けて下さい。タオルなどで掴むとより外れやすくなります)

④古い『ダイヤフラム』を取り外します。
パッキン部に破れが有り、触ると手袋が真っ黒になる程痛んでます。

⑤新しい『ダイヤフラム』を取り付ける。
- ダイヤフラムパッキンの位置に注意します。
部品購入時はきれいに付いてますが、接着されてるわけではないのでパッキンがポロっと外れる事が有ります。
外れたら、本体の針とパッキンの小穴の位置を合わせるように戻して下さい。 - ダイヤフラムの『向き』と『位置』に注意します。
ダイヤフラム側の突起と、受け側の切り欠きの位置を合わせて下さい。
反対向きにも付いてしまいますが、反対向きにすると浮玉が付けられなくなります。
忘れてしまった場合は③に全体写真が乗ってるのでご確認下さい。
(この1.2.を間違うと部品交換したつもりでも『水が止まらない』『直らない』といった事が起こります)

⑥逆手順で復旧して下さい
⑤⇒④⇒③⇒②⇒①と逆手順で復旧します。
⑦最終確認
作動確認と水漏れ確認し異常が無ければ完了です。
まとめ・管理人の所感
あれもこれもと書いたら長文になってしまいました(^^;)
ややこしく感じられたかもしれませんが、しっかり水を止めて落ち着いてやれば難しくない為、おすすめの修理です!
記事を読んでなんとなくイメージできる方は挑戦してみても良いかもしれませんね!
ちなみにメーカーさんにメンテナンスを頼むと7000~8000円程だったと思います。
※価格は2021/05現在。
以上、ダイヤフラム交換でした。
少しでもご参考になると嬉しいです。
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